●ナッツの物語「光る石」かわむらすずみ 作

エゾリスのナッツが、虫眼鏡を手に
道端の石を観察していました。
「やあ。こんにちは、ナッツ。
いいもの見つけんたんだ。これ。」
キツネのリッキーがやってきて見せてくれたのは
古い地図でした。

「これ、宝物の地図だと思うんだ。」
「うわあ。すごい」
「街の雑貨屋さんにね、
見たこともない面白いものが沢山あるよ。」
ナッツは、早速
教えてもらったお店へ行く事にしました。

店に着くとすぐ、
ガラス張りのショーウィンドウの中に
素敵に光る石を見つけました。
薄桃色の光は、まるでお星様のように
キラキラとまたたいています。
「ああ、ごめんね。こ れはついさっき、
売れてしまったの。」
光る石を見つめるナッツを見て、
店のおかみさんは申し訳なさそうな顔をして言いました。
がっかりして帰る夕暮れの帰り道、足元にうっすら青く光る石を発見。
「やった!なんていう石だろう。
明日、図鑑で調べなくっちゃ。」
ナッツは図鑑で色々な物を調べるのが好きでした。
今まで知らなかった新しい発見をするのが楽しくて、
いつも図書館に出かけて調べ物をします。

「誰も知らない大発見かもしれない」
今日は、ベッドの枕元に石を置いて、
新しい冒険の夢を見ることにしました 。


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