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<< 2012年9月の記事 >>

ある男の子のこと

by のび子

図書館やブックスタートで子どもと本について相談を受ける時、
「同じ本ばかり読んでもらいたがって…」という話をたまに耳にします。
お気に入りの本があるということはとても嬉しいことです。
なので、「お母さんは大変かもしれないですけど、頑張って!」と声をかけます。
無責任極まりない発言ですみません。
お詫びにちょっといい思い出話をひとつ。

高校生の時、図書局という部活の一つのようなものに入っていました。
その図書局にも運動部のように全道大会があり、
そこではたくさんの分科会(図書館だよりや本の修理の仕方など、
色んなものがあります)が設けられていました。

私が参加したのは「読み聞かせ」の分科会。

岩見沢の読み聞かせサークルさんが講師で、
会場に用意された絵本を1冊選んで話をする時間がありました。
確かエリック・カールさんの「パパ、お月さまとって!」だったと思います。

「その本を2回壊したんですけど、買い直してもらったんです!」

と高校生の男の子が語る姿は、当時は「へえー」としか思いませんでしたが
強烈に頭の片隅に残っていました。

きっとその男の子も、同じように何度も「読んで!」とお父さんお母さんに
せがんだに違いありません。
今何度も「読んで!」と持って来ている本は、
その男の子のように将来そんな風に語ってもらえる1冊になるのかも?
このことを思い出すと、「お母さん頑張って!」という言葉しか出なくなってしまいます。

重ねて言います、無責任ですみません。

でも、その子の子どもの時の姿が
今お母さんが話してくれるお子さんの姿なんだな、と思うと
微笑ましくてたまらなくなるのです。


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