戦争。
by saku
みなさんこんにちは。
坊主頭のsakuです。
この間、
書庫(古い本や貴重な本をしまっておく倉庫)を整理していたときに、
ふと1冊の本が目にとまりました。
1997年に出版された本で、
最後に借りられていたのは2003年でした。
10年以上眠ったままの本です。
1ページにイラストが一つと、
短い文章が一つ書かれており、
ページ数も少ない、手軽に読める作品でした。
タイトルは、
『戦争で死んだ兵士のこと』小泉吉宏/作
「今はのどかな森の中の湖のほとり、」
から始まり、
「ひとりの兵士が死んでいる。」
と続きます。
その後、
「1時間前、兵士は生きていて闘っていた。」
「2時間前、兵士はひとり道に迷っていた。」
「4時間前は、戦火に巻きこまれた子どもを助けていた。」
と、
時間をさかのぼりながら兵士が紹介されています。
その兵士は2日前基地にやってきて、
5日前には友達とヨットに乗る約束をし、
7日前に恋人を両親に紹介していました。
大学時代に祖父が死に、
高校時代はバスケが好きで、
13歳のときに失恋をしました。
本の最後に、
彼は生まれます。
第二次世界大戦の戦死者数は
資料によってまちまちで、
5千万とも8千万ともいわれます。
今もなお、世界はきな臭く、
意思をもたされた武器の力で生命を絶たれる人は少なくありません。
何年か十何年か何十年か生きてきて、
いろいろな人と関わり、
笑ったり怒ったり悲しんだりしていた人が、
全ての可能性を絶たれた事例が数千万。
そう考えると、押しつぶされそうになります。
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